ほころぶ、社説から見る原子力発電

2021年3月13日土曜日

ほころぶ 原子力発電

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▽社説を見てみると、11日は各社東日本大震災を扱っていて、普段は2本の社説も1本にして力を入れていた。10年というのは長い月日の気がするけど、まだ10年しか経っていないと感じる人も多いと思う。ハード面での復興は完了しつつあるけれど、人々の暮らしはまだまだ戻っていないし、大きな傷を負った人の心も癒えてはいない。とはいえ、元通りというのは不可能な話だ。何よりも亡くなった人は戻ってこないし、町並みもまるで違うものになり、新しい場所で生活を始めた人もいる。震災を忘れたいと思う人もいるとは思うけれど、備えを怠ってはいけない。何十年か先の未来では、3月11日に東日本大震災を語らない新聞社もあるのだろうか。

3月12日の社説でも震災に触れた新聞社は3つあった。震災で引き起こされた二次的な被害、福島第一原発の事故も積極的に語らなければいけない。毎日新聞、朝日新聞は原発の廃止を訴え、産経新聞は再稼働を求める。まあ、いつもの構図だ。

人類が経験したことのない事故だった。東京電力福島第1原子力発電所が千年に一度の巨大津波に襲われて3基の炉心が溶融し、水素爆発で建屋が次々に吹き飛んだ。

産経新聞のこの書き出しはとても気になる。あの地震が千年に一度ということはないだろう。南海トラフや首都直下型の地震はそう遠くない未来に起きるとされているし、今までだって大震災は起きてきた。これは原発事故が千年に一度しか起こらないとして、自分達の原発推進を正当化しようとする欺瞞でしかない。それに呼応するように同じ日の正論ではいつもの温暖化懐疑論者が原発のみならず火力もエネルギーの多様性という理屈で推進している。地震の頻発する日本では100%安全を確保することは不可能なのに、原発を推し進めるのは馬鹿げたことだ。政治的に野党に期待したいところだけど、原発ゼロを旗印にはしていない。原発のない未来は来るのだろうか。

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