ほころぶ、スエズ運河の事故で思う

2021年4月3日土曜日

ほころぶ

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▽スエズ運河で日本の会社が所有する大型のコンテナ船が座礁して動けなくなったとして大きなニュースになっている。この事故で300隻以上が足止めされ、スエズ運河庁の損失は1日当たり1200万ドルから1500万ドルにのぼると発表された。これに足止めされた船や物資の輸出入の被害を考えると莫大な金額になってくる。ドイツの保険会社はこの事故で1兆円を超える損失があったとの試算を発表した。

この損失を日本の会社がカバーできるのか。コンテナ船を所有している愛媛県の正栄汽船というのは世界的な大企業ではない。どうやら様々な保険に加入しているので破産するということはないと思われる。それに事故を起こしたのは直接的にはこの会社ではなく、運行していたのは台湾の会社で、責任の所在がどこにあるのかよく分からない。建築会社がトラックをレンタカーで借りるようなものなのだろうか。

それにしても、この座礁したコンテナ船はとてつもなく巨大だ。全長400メートル、幅59メートルで1万8千個以上のコンテナを積んでいたらしい。足止めされていた300隻以上の船も、多くのコンテナを積んでいたと考えると、やはり影響は甚大だったのだろう。原油価格が急騰しているということで、日本のガソリンの価格に反映される可能性もある。エジプトにある運河は日本からは遠すぎて想像がなかなかできないのだけど、何日か通行ができなくなるだけで世界中に与える影響が甚大だということは理解しておいたほうがいいのかもしれない。

このスエズ運河のようなものは、テロリストのターゲットにもなりえる。似たようなものとしてオリンピックもテロリストの犯行声明があったらどうするのだろう。要人が集まるのだから実際にテロが起きたら国際的なダメージは深刻だ。それに今回の新型コロナウイルスの感染拡大でボロボロになっている。人間のすることは、時間をかけていくと巨大になっていく傾向があり、そのメリットはありつつも、何かあった時はダメージが大きい。原子力発電所も、核兵器も同じ構図だ。あまりグローバルに、巨大になりすぎず、小さく狭く生きていくことが必要なのではないとこの事故を見て思う。

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