▽27日の読売新聞の社説で、一票の格差について書かれていた。
衆院選区割り 人口変動踏まえ適切に見直せ
1人の議員を投票で選ぶのに、100人で1人を選ぶのと300人で1人を選ぶのでは格差があり、偏りが出てしまうかもしれない。感覚的には市区町村でそれぞれ1人選ぶくらいでもいいと思ってしまうけど、村と市では当然人口差があるし、市であっても100万人を越える政令指定都市があれば10万人を切る市もある。
埼玉県の衆議院の区割りは15区あり、私の住む所沢は8区にあたり、30万人を越す自治体でも単独で1人を選ぶわけではない。ふじみ野市の旧大井町地域と三芳町と所沢は同じ区だ。立候補する方は選挙区を回るのが大変そうだと思ってしまうけど、同じ埼玉県でも11区は比較にならないほど広い。秩父市、本庄市、深谷市、熊谷市、秩父郡、児玉郡、大里郡で1人を選ぶことになっている。有権者数は8区と大体同じだし、11区とて人口が集中している地域だけに選挙活動を絞れば負担は多くないのかもしれない。
衆議院議員の仕事が地域の課題を国会に届けるわけではないのだろうけど、やはり期待はしてしまう。埼玉の11区もなかなかの広さで選挙区のことを隅々まで理解するのは難しいとは思うけど、島根や鳥取などは2区しかないし、東北の県なども広大な土地を3区に区切ったりしている。何が言いたいかというと、一票の格差を是正する必要があるのかということだ。
国勢調査 人口減に耐え得る社会を
こちらは同じ日の産経新聞の社説。国勢調査が昨年行われて最新のデータが出てきている。人口の減少はすでに顕在化しているけれど、首都圏への人口の集中も無視できない。首都圏は人口が増えているのに38道府県は減ってしまった。COVID-19の感染拡大の影響が必ずしも反映されていないけれど、この状況は今後変わるのだろうか。
都市部への人口集中が止まらず、一票の格差も是正されれば地方の声は届きにくくなる。それは別の意味での格差を招きかねない。都市の人間の利益が最優先されれば自然も地方の暮らしも守られず、原発や基地など迷惑なものは押し付けてしまうのではないか。心配しすぎなだけかもしれないけれど、本当の意味での格差のない社会を実現したい。