エネルギー基本計画から考える

2021年7月23日金曜日

エネルギー 原子力発電

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▽毎日更新している社説とコラムの更新のためにチェックしていると、3紙が同じテーマを扱っていた。

読売新聞

朝日新聞

産経新聞

どうやら21日に経済産業省が有識者会議で次期「エネルギー基本計画」の素案を示したようだ。2030年度の電源構成で現行では再生可能エネルギーが22~24%、原子力発電を20~22%、火力発電が56%となっている。これを原子力発電の比率はそのままで、再生可能エネルギーを36~38%に上げ、火力発電は41%に下げるという計画に修正した。

世界的な流れを考えれば再生可能エネルギーの比率を上げることは疑念の余地がない。2020年の所信表明演説で菅首相は2050年にカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すと宣言した。これは二酸化炭素の排出をゼロにするという意欲的な目標で、達成できるかは別として私としては歓迎したい。2050年の目標に向け、2030年の電源構成として今回示された数字は妥当なのだろうか。二酸化炭素の排出ゼロということは火力発電の比率を完全にゼロにするものだと思ってしまうけどそうではないらしい。排出の少ない天然ガスによる発電や、よりクリーンな火力発電も視野にいれていると思われる。再生可能エネルギーの比率は50~60%が参考値として出されていて、注目しなければいけないのは原子力発電だ。

2019年時点では原子力発電の比率は6%ほどしかない。エネルギー基本計画では可能な限り原子力発電の依存度を下げるとはしているが、2030年度で20~22%となっているので現在より依存度を上げることになる。40年を越えた原子力発電の運転延長を認めていく動きなので、これからも依存する気満々なのだろう。確かに二酸化炭素の排出だけを考えれば原子力発電は優秀だ。ただ、事故を起こせば取り返しがつかないことになるが。

有識者会議の翌日にすぐさま社説にしたということで、読売、朝日、産経がこの問題に対して非常に関心が高いことが分かる。読売と産経は原子力発電の推進派、朝日は否定派。産経新聞は普段は2つの社説を一つにして長尺な内容にしてまでの主張だ。二酸化炭素排出ゼロを免罪符にして原子力発電の稼働を続けることが望ましいとは思えない。といって再生可能エネルギーだけで日本社会は維持できるのかも難しいところだ。電気自動車が普及すれば今以上の電力が求められてくる。安定供給という面では再生可能エネルギーでは心もとない。あまり議論されてきていないけど、なるべく電気を使わない生活をすることが必要な気がする。夏真っ盛りでエアコンを使わなければ危険だけど、エアコンを製造し使うことで二酸化炭素の排出量は増え、地球は温暖化していってしまう。先人の知恵と最新の技術を組み合わせてどうにかしていきたい。

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