本の話をつらつらと

2022年5月6日金曜日

読書感想文

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▽先日読み始めたのは「リバタリアンとは何か」という5人で座談会をしている内容をまとめた一冊。それぞれが何らかの専門家なので、話がとっちらかることはなく、リバタリアンの理解は深まります。まだ読み終えていないので適当なことは言えませんが、リバタリアンというのは自由を求める人たちで、リベラルとも保守とも権威主義とも社会主義とも違います。アナーキスト、無政府主義者といえば分かりやすいでしょうか。けれど、リバタリアンと言い換えているだけにバリエーションがあるようです。私は大杉栄、伊藤野枝、辻潤、あたりにシンパシーを感じますので、リバタリアン的な傾向があることを否定しません。どうもアナーキストというよりは最小国家主義や古典的自由主義のほうが現実的で無理がないような気がしています。読み終わるまでに確信かまったく違う思考になるかもしれませんが。


▽前にブログで触れましたがこちらの「ポル・ポトの悪夢」を読み終えました。順位をつけるのはどうかと思いますが、今のところ今年のベストな一冊です。テレビ番組を担当していたNHKの記者が書いた本なので、書き物として1級品ではないかもしれません。けれど、ポル・ポト、悪夢のようなポル・ポト独裁時代になんとかして切り込もうとした記者魂を感じました。結局はポル・ポト本人ではなく政権の中枢にいた幹部への接触で解き明かそうとするもので、保身、自己弁護、虚実入り交じる受け答えで真実に迫れたのかは分かりません。それを分かった上で、真実の一端を読者も垣間見ることができます。たとえポル・ポトの口から真実めいた言葉を聞くことが出来たとしても、きっと何も分からないでしょう。誰かが誰かを傷付けたとしても、何の理由もないことは多々あります。それが集団レベル、国家レベルで起きてしまった。そういうことのような気がします。権力の集中、残虐行為は現在進行系で起きていますので、分からないことを分かった上で悲劇を繰り返さないために何が出来るのか考えたいです。


▽海のことを知っておきたいとは思うのですが、いかんせん海なし県の埼玉に生まれ育った人間には縁遠い世界。海鳥の話は正直ピンときませんでした。けれど、生物多様性を考えますと、海鳥が減ったり増えたりするのは海の生物にも確実に影響が出てしまいます。それは人間の食べる魚が減るということで、そのための漁が海鳥にも影響して悪循環をもたらしてしまいます。それにプラスチックや風力発電などの人間の活動も影響するとなると、好き勝手するわけにはいきません。海の生物多様性、埼玉からできることはあるでしょうか。

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