西宮伸幸「水素社会入門」を読む

2022年7月4日月曜日

読書感想文

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▽最近読んだ本は西宮伸幸の「水素社会入門」。新書なのでそこまで堅苦しくなく、要点要点が簡潔に分かりやすく記されているので非常に読みやすい本でした。水素というのは割りと取り上げられることが多いですが、生活の中では今ひとつ浸透していません。たまに水素を燃料に走るバスを見かける程度でしょうか。自宅に燃料電池システムのエネファームを導入している人もいるかもしれません。トヨタが販売する燃料電池自動車のMIRAIに乗っている人がいたらかなりの上級者と言えます。価格的に高級自動車の扱いですし、燃料となる水素ステーションもガソリンスタンドのようにあちこちにあるわけではありません。将来的には水素で走る自動車はもっと登場するでしょうか?おそらくはバスや電車、トラックなどは燃料電池車が普及し、一般の自動車は電気自動車になるのではないかと書かれていました。

水素は石油や天然ガスのように使用時には二酸化炭素を排出しませんが、本当に環境にいいといえるのでしょうか。それは電気自動車が石炭などで発電した電気で走るならあまり意味がないのと同じで、製造時に二酸化炭素を排出していたらあまり意味がありません。再生可能エネルギーだけで水から水素を作り出して市場に普及させていく、そのような社会はまだまだ先の未来のようです。けれど、水素には夢があると感じました。この本を読む前からうっすらとそう考えてはいたのですが、やはり水素に大いに期待してもいいように思います。

例えば、現状でも太陽光発電は広がりつつありますが、せっかく発電しても接続を切られ、上手に使われていないケースがたびたび報道されています。それに最大の弱点として、夜間は発電できません。これを解決できるのが水素です。昼間に太陽光発電で水素を作っておいて、夜は水素で発電すれば無駄がありません。現状では水素を利用できる発電所はあまりないようなので、これからの課題です。家庭用の燃料電池、自動車などの普及も本気で水素社会を目指すなら必要でしょう。再生可能エネルギーと水素の組み合わせなら二酸化炭素を排出しませんので、これからのクリーンな社会の切り札になるような気がしています。

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