山中麻葉「アーミッシュカントリーの美しい暮らし」を読む

2020年12月14日月曜日

読書感想文

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▽アーミッシュという人たちがいるのを知っていますか?といっても私も厳しい宗教的な縛りの中で暮らしているということくらいしか知らない。イメージ的には非常に風変わりな人たちだ。実際、日本人的感覚でアーミッシュを見れば確かにそう映る人が多いと思う。そもそも宗教の戒律を厳格に守って生きることを理解できなくなっているかもしれない。私も特定の宗教を信仰していないのでまったくの未知の世界だ。

アーミッシュはキリスト教の中の一派で、思想としては聖餐式を頻繁に行い、教義を破り悔い改めない信者に厳しく対応する、ということらしい。これだけなら多少厳しいくらいでしかないけど、暮らしていく中で様々な決まりを設けて暮らしている。例えば自動車に乗らず馬にバギーを引かせる、電化製品を使わない、エネルギーや食事を自給する、決まった服を着るなどおおよそ文明社会とはかけ離れた暮らしをしているのがアーミッシュの特徴だ。この本にはそんなアーミッシュの貴重な暮らしぶりが写真とともに綴られている。彼らの生活は尊い。正直かなり憧れるし惹かれてしまう。

ある宗教では完全な菜食主義だったり、牛を食べない、豚を食べないというのがあるけどアーミッシュは特に縛りはないようで、とても美味しそうな料理を食べている。食料は自給自足し、瓶に詰めて大量に保存する。冷蔵庫がないのだから工夫が必要だ。沢山の動物と暮らしているのでこの本では書かれていないけど自分たちで屠殺するのだろう。牛からはバター、チーズ、ヨーグルトと沢山のものを作る。大変なことは多いのだろうけど、自分たちで何とかしていくのは大事なことだ。もし、このような生活を地球上の多くの人が出来たら環境破壊は起こらない。学ぶべきことは多くある。

アーミッシュの子供はよく働く。といっても児童労働ということではなく、家庭の手伝い程度だ。とはいえ、アーミッシュの子供の教育期間は短く、手伝いばかりしているなら批判の声があるかもしれない。日本に暮らしているとありえないことだけど、アーミッシュの子供たちはそれを受け入れ大人になり、アーミッシュとして生きていく。自ら洗礼を受けるか決められるのだ。先進国に暮らす人間が失ってしまった大事なものがアーミッシュにはあると思ってしまう。

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