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2020年12月21日月曜日

武蔵野点描、12月21日は冬至です


▽1年のうちで重要な節気というと、夏至と冬至ではなかろうか。夏至は1年のうちで太陽が出ている時間が1番長く、冬至は1番短い。昔の人はこれを生と死、輪廻と結びつけて考えていたようだ。夏至を過ぎると徐々に老いていき冬至で死を迎え、産まれ、また夏至に向かって成長を続け老いて死ぬ。

私は少し冬至が怖い。死に向かって生きていくのは生き物の逃れられない宿命だ。それは受け入れなくてはいけないことで仕方がないのだけど、冬至を境に再び生命力を蓄え生きていかなければいけないと考えると自堕落に生きる人間としては憂鬱にもなる。寒い時期にやってくる冬至がネガティブな感情を呼び起こさせるのかもしれないけど、死ぬことが許されないというのもなかなか酷なことだ。

いつの間にかやってきて、時には過ぎ去っているのが私と二十四節気の付き合い方。今年の冬至は12月21日。今日だ。うっかり忘れてしまっても別に構わないけど、きっとラジオかネットニュースで知ることになるはずだ。マスコミが淡々と天気だけを伝えるだけになってしまわないことを祈ります。

ちなみに七十二候は21日から「乃東生ず」。なつかれくさしょうずと読み、夏枯草というのは靫草(ウツボクサ)のことらしい。このウツボクサの芽が出るのが今の時期ということだけど、この草のことが分からないのでピンとこないのは不徳の致すところ。草花に詳しくなると、もっと自然を楽しむことが出来るかもしれないけど、草花が自ら名乗ったわけではなく勝手に名前をつけたのは我々人間だ。名前を知ることなんてどうでもいいのかもしれない。冬至を迎えるとはいえ、寒さのピークはまだまだ先。新型コロナウイルスの影響は再び拡大傾向にあるので気を引き締めていきましょう。