ほころぶ、村上春樹氏の発言を考える

2021年3月16日火曜日

SNS ほころぶ

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▽何やら小説家の村上春樹氏の発言がインターネット上で話題になっているというのを目にした。それはユニクロのウェブマガジンでの発言で、26の質問を村上春樹氏にしているのだけど、その中の1つ「SNSはいっさい見ないそうですが、その理由は?」という質問にこう答えている。

大体において文章があまり上等じゃないですよね。いい文章を読んでいい音楽を聴くってことは、人生にとってものすごく大事なことなんです。だから、逆の言い方をすれば、まずい音楽、まずい文章っていうのは聴かない、読まないに越したことはない。

なるほど、あまり村上春樹氏のことは知らないのだけど、彼の内面が浮かび上がってくるような言葉だ。確かに、ツイッターなんかを見ていると上等な言葉というのはあまりない。大体は日常会話の延長のような書き方だし、文字数の制限もあるので使える言葉が限られてくる。私のツイッターの使い方は、ブログの更新をお知らせするのがメイン。ちゃんとした言葉、文章はこのブログで書く。ツイッターで同じように考えを書こうと思っても、やはり文字数の制限があるし、仕様的に投稿は流れ、埋もれていってしまう。それは現在的な思いを瞬間的に吐露する場所としては有効だとは思うのだけど、ちゃんとした主張をするのにはやはりブログが一番だ。

村上春樹氏のいう「まずい文章」に触れないようにすることも言い得て妙という感じがする。言葉や文章というのは、案外引っ張られていってしまうものだ。例えば大阪にいたら大阪弁を話すようになってしまうだろうし、太宰治の小説ばかり読んでいたら似てきてしまう。私も丁寧な文章に引き寄せられて、このブログもやたら意識して書いていたことがある。そう考えると、まずい文章は見ないほうがいいのかもしれない。

いい音楽を聴けば、いい文章が書けるともインタビューの中で村上春樹氏は答えている。これは彼が音楽がやたらと好きな人間だから出てくる考えなので、おそらく万人には当てはまらない。けれど、例えばいい写真、いい絵、いい器、いい建築、なんてものに触れるのは内面を豊かにしてくれると思う。深みのある言葉を発する村上春樹氏の小説でも読んでみようかしら。

”ユニクロ LifeWear magazine 村上春樹に26の質問”

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