▽いつも散歩で歩く鳩峯公園(はとがみね)。見上げると葉が付いていないのでまだ冬枯れという感じがするけど、注意深く観察してみると小さな葉が開いていて、少しずつ春が進んでいるのが分かる。武蔵野の雑木林の里山としての本来の姿は、この時期は寒々としているはずなのだけど、現在は割と緑が多い。里山として利用されていれば、木が大きくなる前に切ってしまう。薪にしたり、椎茸のホダ木、炭にするには細くていい。成長の早いコナラやクヌギなら根元を残しておけば数年で芽が出てまた利用することができる。明るい林にしておくのは成長させるために大事なので下草は刈られ、常緑の木が生えてくる余地はない。
最近は積極的に手入れがされているけど、里山としての利用とは違う。コナラやクヌギは何百年も育ち続ける樹種ではないので、放っておけば倒れる。ここは公園なので、もし人にケガでもさせてしまえば大変だ。それに手入れをしなければ、1枚目の写真のように常緑の木が優勢になっていずれは雑木林ではなく森になる。それはそれでいいような気もするけど、所沢市として目指すべき姿があるのなら文句は言うまい。
所沢市は先月、周辺自治体と共同で「ゼロカーボンシティ」宣言をした。その中でも再生可能エネルギーの推進や、圏内木材の利用の検討、森林資源を活用した環境学習の推進、などという項目もあるので、有意義な雑木林の活用を期待したい。薪ストーブを推奨して薪を提供するとか、バイオマス発電とか現代にマッチしたやりようはいろいろあるはずだ。共同で宣言した飯能市のように伐採してメガソーラー発電所を建設するなどという愚策はご遠慮願いたい。
前に書いた鳩峯公園の園路改修は、半分で終了してしまったようだ。事業費は499万円とあったので全部を改修すると1000万円。予算が足りなかったのだろうか。そんなに費用をかけるなら自動車の侵入を禁止して柵のない細い土の道があればいいような気がする。