ほころぶ、国際女性デーに考える

2021年3月9日火曜日

ジェンダー ほころぶ

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▽3月8日は「国際女性デー」ということで、毎日新聞と東京新聞が社説に書いている。


日本は男女平等において世界から遅れている。国会議員の女性比率は衆議院議員で9・9%、参議院議員で22・6%と男性が圧倒的に多い。単純に考えて、女性の声が届かない社会であるといえる。東京五輪の組織委員会の会長を務めていた森喜朗氏の不適切発言が話題になったけれど、その組織体制も男性中心だった。もう一つ言えば老人が多い。これも若者の声が届かないことに繋がり、結婚して子供を育てようという環境にならなければ、高齢者ばかりが増え人口は先細るだけだ。

出生率が減るのはなぜなのか。成長を続ける途上国でも起きつつあるけど、ただ経済成長することが原因ではない。かつての女性の権利は非常に制限されていた。子育て、家事を担当していた女性が選挙権を得て、働くようになれば当然出生率は下がってゆく。なので、今以上に女性の社会進出が進めば、より出生率は下がっていくかもしれない。それは、積極的に働いても国や自治体、周りからのサポートがあれば回避できる。生産性が低いと言われる日本がなぜ経済大国になれたかというと、人口的なメリットがあったことに他ならないのだから、女性が働きに出ても子供が育てやすい環境は必須だろう。

女性の権利が向上するには国家のトップ機関である政治が率先して変わることが大事だけど、では企業はどうなのか。毎日新聞グループの役員に女性が何人いるかをサイトで調べてみると、名前で判断するしかないので確定ができないけど40人中1人か2人。東京新聞はサイトで確認できなかったのだけど、日本マスコミ文化情報労組会議が2020年に実施した調査によると、中日新聞社は役員22人中1人。他の新聞社も似たようなもので、全体では397人中16人という結果だった。女性管理職も1割にも満たないという状況なので、威勢よく政府や社会を正す発言をしつつ、自分たちは旧態依然とした組織体制というのはなんとも情けない話である。

2021年の国際女性デーのテーマは「リーダーシップを発揮する女性たち:コロナ禍の世界で平等な未来を実現する」ということなので、政府だけでなく企業や組織などあらゆる場面で女性の活躍が望ましい。新聞社も自分たちが変わりましょう。

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