▽ここ最近で一番ショックな出来事が起こった。新垣結衣さんと星野源さんの結婚はテレビを見ない人間にはさっぱりで、幼いころからテレビで拝見していた俳優の田村正和さんの死去には驚くけど、何よりもベルセルクの作者である三浦建太郎さんの死去である。5月6日に急性大動脈解離のため亡くなられたそう。大変残念で悲しい。
【三浦建太郎先生 ご逝去の報】
— ベルセルク公式ツイッター (@berserk_project) May 20, 2021
『ベルセルク』の作者である三浦建太郎先生が、2021年5月6日、急性大動脈解離のため、ご逝去されました。三浦先生の画業に最大の敬意と感謝を表しますとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。
2021年5月20日 株式会社白泉社 ヤングアニマル編集部 pic.twitter.com/baBBo4J2kL
ここに書いても仕方ないのだけど、今まで楽しませていただきありがとうございました。多くのベルセルクの読者も同じ気持ちでしょう。ネットを見回す限り悲しみの声であふれている。とにかく感謝を伝えたいです。そして声を大にして言いたいことは、ベルセルクを最後まで読みたかった。
1989年にヤングアニマルで連載がスタートしてから30年と少し。30年という数字にはこう書いてみて驚くが、現在は40巻まで刊行されていて残念ながら完結には至っていない。どこかのタイミングで完結させてもよかったと思う。例えばガッツの戦いは続く的なありがちな終わりとか、グリフィスを倒すことはまるで見えないけど、ガッツが死ぬバッドエンドは十分考えられる。強引に41巻でキャスカが自我を取り戻した後に妖精の島で幸せに暮らしましたとさ、でもいい。今の状態で未完というのはベルセルクの愛読者としては辛すぎる。いや、一番辛いのは作者の三浦建太郎さんだろうし、結末はすべての読者の想像に委ねられたと考えればこのままでも悪くはない。
私は子供のころから漫画が好きだったのだけど、テレビと同じようにダラダラと見続けてしまうと時間の無駄なので、1000冊以上持っていたマンガ本はすべて処分してしまった。けど、唯一買い戻したのがベルセルク。これだけはどうしても手元において完結を見届けたかった。とはいえ発売当初から買い集めていたわけではなく、読みだしたのは10代も後半だったけど、私の青春とともにベルセルクがあったといっても過言ではない。私の周りの友人達も、このどうしようもなくダークで暴力的でエロティックで美しい物語を共通の話題にし、強く影響されていた。何かの問題に直面した時、ガッツやグリフィスならどう行動するのかと思いを巡らすことも少なくない。ベルセルクのことを書き出すとキリがないのだけど、この物語の結末は人の理とは別の場所に、三浦建太郎さんと共に旅立っていったと思おう。
重ね重ね、長い間楽しませていただきありがとうございました。安らかにお眠り下さい。