ロシアのウクライナ侵攻を考える

2022年2月26日土曜日

国際

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▽多く報道されているので皆さんご存知と思われる、ロシアによるウクライナ侵攻に触れたい。2月24日、ロシア軍はウクライナの軍事施設に対する攻撃をはじめたと発表した。現在はウクライナの首都キエフに迫る勢いで緊迫が続いている。情報が錯綜しフェイクニュースも飛び交っている中、死傷者は軍関係者だけでなく民間人にも及んでいるとされ、これは侵略戦争と言っていい事態だ。私は専門家ではないし、現地の情報も報道で知るだけなので、情勢を詳しく語れるような言葉は持ち合わせていない。けれど、ロシアの侵略戦争で世界の秩序が大きく変わったことは分かる。それくらい世界に与えるインパクトは甚大だ。

ウクライナに侵攻したとはいえ、現在はウクライナ国内でロシア軍とウクライナ軍の衝突に限られている。これがNATOやアメリカが軍事的に介入するような事態になれば第三次世界大戦の始まりになりかねない。おそらく軍事力の介入はないだろうが、ロシアへ経済制裁を課すということなので長期的な対立は続いていく。その経済制裁には当然日本も加わるので慎重な対応が求められる。ウクライナへの軍事介入はないとはいえ、武器などの供与は行っているようなので、軍や市民のゲリラ的な抵抗がベトナム戦争のように長引くかもしれない。いずれにしても深刻な事態だ。

多くの専門家、知識人、市井の人々含め、今回のような大規模な軍事的侵攻が21世紀の現代社会では起きない、起きるはずがないと思っていたのではないか。世界は経済で強く結びついていて例外はほとんどない。北朝鮮のような国家であっても何かしらの支援や貿易を行っている。今回のロシアのように軍事行動を起こせばただちに国際社会は制裁を加えるのだから、軍事的な野心を抱くことは許されない。結局は自分たちの首を絞めるだけだ。ロシアが侵攻したことに理解が追いつかない。これで明らかになったのはやはり世界秩序のフェーズが変わったということだろう。

中国はロシアの軍事侵攻において西側諸国と歩調を合わせるような態度を示していない。むしろロシア寄りな立ち位置であるように見える。これは政治体制の近さ、アメリカとの対立関係で共通部分があるからだと思う。そしてロシアと同じように、台湾への侵攻を中国は将来的にやりかねない。おそらく今回の西側諸国の対応を試金石として見ているのではないか。アメリカや日本の軍事介入が台湾有事でないと判断すれば可能性はある。そうなれば日本の安全保障は根底から揺らぐ。今回起きているウクライナ侵攻は決して対岸の火事ではないのだ。

我々はこのロシアによるウクライナ侵攻をどう捉え、変わる世界秩序にどう向き合い、関わっていくべきなのか。考えが追いつかない。

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