▽3月11日と言えば日本人ならば多くの人が思い出すのが東日本大震災が起きた日だ。それに伴い、福島第一原発でも事故が起きてしまった。今日で11年。あっという間だったようで、昨日のことのようにも感じる。
東日本大震災では2万2千人を超える方々が亡くなり、行方不明になっている。東日本大震災が遠い昔の出来事と思えないのは、3月1日時点で行方不明者が2523人もおられるからかもしれない。それに身元が分からないご遺体もある。なんとも痛ましい現実ではあるのだけど、せめてご家族のもとにご遺体だけでも戻られないものかと願うばかりです。
さらにいまだに避難生活を強いられている方が3万8千人もおられる。これは福島第一原発事故が引き起こした余波だ。避難指示の解除がようやく帰還困難区域の一部で春から始まるので、原発が立地する双葉町ではまったく住めない状態からの少しの前進にはなる。7割が解除されたとはいえ、福島県の11市町村に避難指示が出されていた。原子力発電所の事故がもたらした被害は計り知れず、まだまだ現在進行系中だということは忘れてはいけない。
3月10日も日本にとっては非常に印象深い日だ。私は戦後生まれなので経験していないが、77年前のこの日、東京はアメリカ軍による大空襲に見舞われた。犠牲になった方々は東日本大震災を遥かに超える10万人以上と言われている。広島と長崎への原子爆弾の投下も非人道的だが、この東京への無差別な大空襲も看過できるものではない。
現在、ウクライナはロシアから軍事侵攻を受けている。東京大空襲のような空爆が行われているわけではないようだが、民間人、民間施設が攻撃されているようだ。そして原子力発電所もターゲットになっている。第二次世界大戦で戦争の愚かさを知り、原子力発電所の事故によって様々な喪失を経験した我々日本人はどのように世界にコミットし、生活を変えていくのか。東京大空襲、東日本大震災、福島第一原発事故が起きた日に改めて考えたい。