空点描、グリーン成長戦略は手放しで歓迎できるのか

2020年12月29日火曜日

環境

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▽菅首相は2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという方針を表明した。そのために打ち出したのは「グリーン成長戦略」だけれど、どのような内容なのだろう。2030年代半ばにガソリン車を販売禁止にするという発表もその一環だと思われる。温室効果ガス実質ゼロの目標を達成するために非常に重要なのは電力の構成をどうするかだ。

当然、温室効果ガスを大量に発生させる火力発電はやめるべきで、再生可能エネルギーが電力のほとんどを占めていなければならない。理想は100%だ。政府が打ち出すグリーン成長戦略の14分野で最初に挙げられてるのは洋上風力発電ではある。細かく見ていくと、14分野のうちエネルギー産業という項目は4つあり、1つは洋上風力産業、2つ目は燃料アンモニア産業、3つ目は水素産業、4つ目は原子力産業となっているので再生可能エネルギーが中心というわけではないらしい。太陽光、水力、地熱、バイオマスなど潜在的に大きな可能性のある発電方法は外された。

ところでアンモニア産業がエネルギー産業に入っているけれど何のことだろう。アンモニアは二酸化炭素を排出しないクリーンな燃料らしい。けれど、アンモニア発電所というのは聞いたことがなく、それもそのはず通常の火力発電にアンモニアを20%ほど混焼させることで二酸化炭素の排出を抑え、将来的に50%の混焼を目指すという。この火力発電の燃料は石炭なので、このようなことで本当に温室効果ガスを実質ゼロに出来るのか疑問だ。アンモニアも水素も使用時には二酸化炭素を排出しなくても、製造段階ではどうなのかも考えなくてはいけない。電気自動車が普及しても電力が火力発電ならあまり意味がないというのと似ている。

エネルギー産業として4つ目に上がっているのは原子力産業。これが1番目に挙がっていたら恐ろしいけど、実際には1番力を入れているのが原子力産業だと思えてならない。事故を起こせば甚大な被害を巻き起こす原子力発電をここまでプッシュする理由はいまいち分からないけど、我々国民にも責任がある。自民党政権を選んだのも、莫大な電力を必要としているのも我々国民だ。再生可能エネルギーだけで十分なコンパクトな社会を模索してもいいのではなかろうか。

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