▽便宜的ではあるけど写真家を名乗り、表現活動をする人間としてはそろそろ個展をしないと駄目だとは思うのだけど、3月に埼玉県立近代美術館で行われる企画展に参加するつもりで準備を少しずつ始めている。何を展示するかというと、空の写真。いつもアップしているような目を引くような夕日の写真ではない。晴れだろうが曇りだろうが雨だろうが関係なく空を撮った写真。毎日空の写真を撮っているのはたびたびブログで触れているのだけど、ようやく日の目を見る機会が訪れた。といっても毎日写真を撮ることは10年以上続けていて、そのすべてを展示することはしない。いつかそんな日が来るかは分からないけれど、今回はここ2年ほどに撮っていた写真を展示する。
この2年間はCOVID‑19、いわゆる新型コロナウイルスの感染が広がっていた期間だ。去年の終わりから収束に向かっていたと思いきや、再び新規感染者は過去最大レベルで増えている。幸いにして重症者や死亡者はそこまで増えていないけれど、まだまだ脅威だという認識は変わらない。COVID‑19の感染が広がり右往左往している我々とは裏腹に、人間社会の混乱とは何の関係もなく空は空のままだ。それは当たり前の話で、人間社会の写し鏡のように空が機能していたらそれはそれで恐ろしいけれど、空は空で、海は海で、森は森でそれぞれの役割をもって日々を過ごしている。人類は高度に発展し、世界中と繋がり、豊かさを謳歌しているようで感染症一つで大混乱に陥ってしまった。我々の生活、社会というのはこれでいいのだろうか。そんな展示。言葉で伝えるのが難しいけど、だからこそ写真を展示をするわけです。言葉を添えたほうがよいのか、具体的な展示方法はどうするのかなどまだまだ考えることは多い。個展はいつ開きましょうかね。