が、広く報道されているように、この署名には不正の疑いが持たれている。愛知県選挙管理委員会の発表では提出された署名のうち、8割超えの約36万2千人分が無効と判断された。刑事告発したわけだけど、これが本当なら10万筆にも満たない署名数だったことになる。これは会の代表である高須克弥氏や、河村たかし市長にも寝耳に水だったようだ。高須克弥代表も告発状を名古屋地検に郵送したそうなので事実解明が待たれる。
「愛知県知事リコールの署名偽造、アルバイト動員か 広告下請け会社が求人 佐賀市で作業」
県警の捜査が進む中、愛知県に本社を置く中日新聞が独自取材の記事を出してきた。記事によると広告関連会社の下請け会社が、人材紹介会社を通じアルバイトを雇って、愛知県民の情報が書かれた名簿を署名簿に書き写させていたらしい。現状では誰が発注したのかは分かっていないし、広告関連会社も人材紹介会社も関与を否定している。8割を超えるような署名のすべてをこのアルバイト達がしたのかは分からないけど、考えさせられることが多い。
私も時々ウェブの署名サイトのアクションに賛同することがある。世界規模のものからローカルなものまで沢山あるけど、基本的に名前とメールアドレスだけなので水増ししようと思えば出来てしまう。愛知県知事のリコールの場合は明確に法律違反だ。今回は偽造が発覚し、そもそも必要署名数をクリアしなかったけれど、もっとうまいことやれば住民投票まで持っていけていたかもしれない。これはモラルハザードをもたらす深刻なことだ。リコール運動への投票は捺印がいるとか身分証明書の提示が必要とか面倒くさいことにならなければいいけど、制度的に不正が出来るなら何らかの対策が必要になってくる。人々の意思が伝わり、無駄にならない制度であることを望みます。