武蔵野点描、産経新聞の社説とコラムに思う

2021年2月25日木曜日

環境 原子力発電 武蔵野

t f B! P L

▽新聞社の社説とコラムをブログに毎日ピックアップしている中で目に留まった記事があったので触れたい。

”温対法改正案 追随型の脱炭素は危うい”

こちらは産経新聞の2月24日付の社説。私は元々保守的な人間なので産経新聞を愛読していた時期もある。社説を眺めていると、朝日新聞や東京新聞のほうが今の私には合っている気がするけど、伝統や文化というものを大事にしたいという心持ちは捨てていない。産経新聞は地球温暖化に懐疑的なのではないかという記事が2月22日付の正論にあった。

”気候危機はリベラルのフェイク”

これを書いたのはキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志という人なのだけど、以前から「温暖化否定論者」として発言している。このような記事を掲載するということは、産経新聞も温暖化対策に向かう世界的傾向に苦虫を噛み潰すような思いでいるのではないか。産経新聞はフジサンケイグループに属する大企業なのだから、そのような心持ちでは困る。

社説を読んでみると、産経新聞は温暖化対策を否定したいわけではないようだ。ただ、安定的な電力供給のためには再生可能エネルギーではダメで原子力発電が必要だと訴えている。私も原子力発電が100%安全に運用できるなら文句は言わない。けれど、災害列島である日本では想定外な地震、津波が起こりうるのは福島を見れば明らかだ。本当に大丈夫だと思っているなら、産経新聞社は原子力発電所のある町へ本社移転して覚悟を示してほしい。放射性廃棄物の誘致を目指す町でもいい。出来ないなら無責任な主張はしないことだ。

排出量が世界の3%に満たない日本の場合、国内のカーボンニュートラルによる地球大気の改善効果は僅かなものだ

この書き方も気になる。確かにその数字は間違っていないけれど、それでも日本は二酸化炭素排出量で世界で5番目に多い国だ。数%だからと無責任なことを言っていい立場にはない。産経新聞に不信感が湧いてくる。


ブログ アーカイブ

このブログを検索

QooQ