新聞各社の社説とともにIPCCの最新の報告書を考える

2021年8月13日金曜日

環境 新聞 地球温暖化

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▽国連の専門家組織であるIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)が「第6次報告書」を公表した。これは1万4千本以上の論文を評価していて、最も新しい科学的な知見が結集された報告書だといえる。IPCCは200に迫る国と地域の科学者で構成されている専門家組織で、これに意義を唱えるのはなかなか勇気のいることだ。これだけの専門家が集まって、世界を間違った方向に導いているとは思いたくない。新聞各社、この報告書を取り上げているのでチェックしてみよう。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第1作業部会による「第6次報告書」が公表された。地球温暖化の現状や将来予測についてまとめた内容だ。

近年、世界中で大規模な山火事や洪水などの自然災害が頻発し、地球温暖化の脅威が現実のものとなっている。温暖化を食い止めるための対策を強化しなければならない。 国連の専門家組織「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が

 事態は深刻さを増していることが明確になった。 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、地球温暖化の科学的根拠を示した報告書を公表した。世界の人々の暮らしを少しでも脅かさぬよう、温室効果ガス&

地球温暖化は人間活動のせい。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、最新の研究成果に基づく地球温暖化の現状や予測を示す「第六...

日々社説をピックアップしている社説とコラムでは扱っていない日本経済新聞もIPCCの報告書を取り上げている中、毎日新聞だけは13日現在まだ触れていない。とはいえ、11日に東京五輪のSDGs、8日に脱炭素化の行動計画という社説を出していて、気候変動に後ろ向きではなく、むしろ積極的だといえる。

意外だったのは産経新聞だ。読売、朝日、東京より1日早く社説に書いている。気候変動懐疑派を正論で何度も扱っているからといって、社として後ろ向きというわけではないらしい。とはいえ、産経新聞が言いたいのは排出が多いからという理由をつけて中国を批判したいのと、再生可能エネルギー一本槍では日本経済が成り立たないから原子力発電を活用しろということだ。産経と同じ陣営にいる読売は原発には触れていないものの、中国に温室効果ガスの削減を求めている。原発には触れず再生可能エネルギーの利用拡大、蓄電装置の開発を促しているのは進歩と言えるのだろうか。

朝日新聞の行動すれば希望はあるというタイトルは印象的だ。本当に希望があるのか、私としてはもう後戻りできないところまで来ているような気がしているのだけど、何もしなければ環境は際限なく悪化してしまう。気候変動、温暖化を否定して好き勝手やろうぜという空気になることは避けたい。COVID-19の感染拡大と同じ轍を踏まないように。東京新聞はIPCCの発表を緊急メッセージとして捉え、我々の行動を促している。具体的に何をしようというのは書かれていないけど、地球温暖化が人為的に引き起こされているとすれば、確かにそれを回避するのは我々しかいないし、できない。

原子力発電の積極活用は問題外としても、日本だけが気候変動対策をしても意味はないし、誰かが、一部の企業だけが取り組んでも意味はない。気温が2度、3度、4度と上がってしまえばすべての人々、すべての地球に存在する生命に悪影響が出てしまう。IPCCの報告書を頭のいい人たちの堅苦しいメッセージとは思わず、国の指導者が対応するだけのものとは思わず、みんながそれぞれアクションを起こすことが求められている。

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