▽本は日常的に読んでいるのですが、大体は真面目な本で何か自分の知識になりそうなものを選んでいます。なので小説だったりエッセイ、詩集のような本はあまり読みません。とはいえ、娯楽的な内容でも人生を左右させるような影響力をもつ一冊もあります。好んで読んでいた三島由紀夫や川端康成、安部公房、谷崎潤一郎、江戸川乱歩におそらくは何らかの影響を受けました。例えば、当たり前な話ではありますが、丁寧な文章を書くことでしょうか。彼らが健在で新作を出してくれているなら追いかけていますが、残念ながら鬼籍に入られているのでその願いは叶いません。
そんな中、たまに読みたくなるのが絵本。手にしたのは エドワード・ゴーリーの「鉄分強壮薬(THE IRON TONIC)」でした。絵本と言えども子供が読むには難解で、絵のタッチもモノクロでどこか陰鬱なので、ハッピーになるような読後感はありません。けれど、どこか引き込まれるような魅力があるのは不思議です。鉄分強壮薬というタイトルは鉄のサプリメントというような意味ですが、一般的な栄養を補助するような薬の効果がこの本にあるのか分かりません。気分が沈んでいる時にどんな曲を聞きますか?底抜けに明るい曲を聞いて無理矢理にでも気分を上げるのか、もしくは気持ちに寄り添うような暗めの曲を聞く選択もあります。私の場合は森田童子の寂しげな曲を聞くのが好みなので、鉄分強壮薬がプラスに作用する人もいるかもしれません。オススメできるかというと微妙ですが。
▽薄っすらと移住を考えているので、気になるタイトルでした。集落の教科書というのは、集落にあるルールを事細かに書き記して、移住者が前もって知り、いらぬトラブルを避けようというものです。インターネットが普及し、世界中の様々な情報にアクセスできるようにはなりました。けれど、どこかの自治体の小さな集落の細かい暮らしまでは見えてきません。昔から続く集落には独自のルールがあります。地方移住には幻想を抱きがちですが、そんなに簡単に受け入れられるとは思えません。集落の教科書を用意している地域はそれだけでも良心的で、受け入れようとする気持ちがあるので期待は持てます。ですが、いくら集落がウェルカムでも容認できないルールがあっては後々トラブルが起きかねません。良いことも悪いことも書いてある教科書は助けになるでしょう。