「さらば、食料廃棄 捨てない挑戦」を読む

2021年11月22日月曜日

読書感想文

t f B! P L

▽我々の食生活は随分豊かになった。スーパーに行けばありとあらゆる地域から、旬など気にかけることなく沢山の商品が並んでいる。よくよく考えると異常な状況だ。その土地、その季節に収穫できる野菜や果物じゃないということは、どこかから運んできてるか、ビニールハウスなどで作られていることになる。当然、多くのエネルギーを使うのだから環境には良くない。何を食べるかは環境問題と直結している。ただ目の前に並べられた商品を何も考えずに選ぶことは大きなリスクを孕んでいるかもしれない。

それだけでも人類に、地球環境にとって大問題なのだけど、日本を含めた先進国の人間は食料を大量に捨てている。世界中で飢餓に苦しむ人が何億人といるのに食料を捨てているというのは異様なことだ。我々が捨てることをやめても直接的に飢餓人口を減らせるわけではないと思うかもしれない。私もそれにどう反論するか悩んでいたのだけど、この本に答えが書いてある。捨てる分も含めて大量に食料を買い集めれば価格の高騰を招いてしまう。ということは貧困国の人達は食料を手に入れることができず飢餓が進む。そう考えると、先進国の人間は食料廃棄をできるだけ減らす必要がある。

”家庭での食品廃棄が多い10カ国 1人年間100キロ以上の国も”

当然、日本は例外ではない。この記事に書いてある最新のデータによると日本は世界で4番目に食べ物を捨てている。具体的な数字は1年間で815万トン、1人当た64キロというとんでもない量だ。これは数字だけの問題ではなく生産、加工、輸送、廃棄と計り知れないほどの無駄が潜んでいる。

食料を大量廃棄する国に暮らす我々は何ができるのか。捨てないということもちろんだけど、何を買うのかも考えなくてはいけない。野菜や果物の形なんて味に関係ないし、肉を食べ過ぎることも穀物需要を引き上げてしまうし、スーパーの棚に何種類も、いつも満杯である必要はないはずだ。消費者の意識だけでなく企業側も捨てることを前提にした販売方法は控えなくてはいけない。政府も食料廃棄の問題を議題にあげ、なんらかの対策を打ち出す必要がある。克服しなければいけないことは多いけど、社会課題として真剣に解決を試みないと未来は暗いと思う。

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