川口由一さんの訃報に触れて

2023年6月12日月曜日

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▽休みの日、雨、雨。畑にも行けないので朝から家でゴロゴロ、ウトウト。インターネットを眺めていて川口由一さんの訃報を知りました。全国に名を知られた有名人ということではないのでしょうが、自然農という野菜とお米の栽培方法を実践し広めてこられた方です。私も自然農畑と自分の圃場を呼んでいるくらいなので、川口由一さんからは多大な影響を受けました。といっても、直接川口さんにお会いして話したことはありません。その機会をいつか設けようと思いつつ、その願いは叶うことなく夢と消えてしまいました。なんとなく自然農についての書籍を読み、実際に畑と向き合う中で少しずつ進んでいる気ではいますが、直接の言葉に勝るものはないでしょう。残念ではありますが、川口さんの思いを引き継ぐ人たちは全国に沢山います。これは大きな成果ですし、現在の社会、これからの社会に必要な農法であり、考え方であるからこそ広がってきたのでしょう。

私は前述のように直接自然農を学んだわけではありません。とはいえ、どの畑にも通用する自然農のマニュアルがあるわけでもないです。栽培技術というよりは世界に対する理念のようなものを持つことが大事かもしれません。自然農の講釈を私なんぞができるわけがないのですが、草や虫を敵にせず、耕さず、肥料や農薬を使わないという考えは常に頭に入れています。一般的な農業においては鼻で笑われるような考えですが、やってやれないことはありません。大規模な営農には向かないですが、収穫を楽しみつつ日々の食事を安全で美味しい野菜で彩ることは可能です。それに草が適度に茂り、虫や小動物も共生する畑はなんと豊かなことでしょう。自然環境を考える上でも自然農のような圃場が増えることは非常に大事なことだと考えます。機械やプラスチックをなるべく使わないことも一つの指針になるのではないでしょうか。

とはいえ、自然農は良いことばかりではありません。やはり生業、仕事として成立させるには非常にハードルが高いです。肥料や農薬を使わないのでどうしたって偏りはでますし、生長速度も慣行農法と比べると勝ち目はありません。それに草の管理も人力なので夏場などは大変です。最初は思い通りに野菜も育たないでしょう。それでもやめることなく続け、学び、畑を育てていくことで状況は変わっていきます。自然農は短期的な成果を求める現代社会へのアンチテーゼなのかもしれません。川口由一さんの思い、自然農が広がることが、よりよい社会に繋がるのではないでしょうか。私がその伝道師になることは難しいですが、日々実践していくことで思いを紡いででいきたいです。川口さん、お疲れ様でした。

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